未病や予防医療、アンチエイジングといった言葉は随分前から使われ始め、私たちの日常生活に浸透しつつありますが、予防歯科の考え方は今のところあまり定着していないようです。
病気を未然に防ぐために1年に1回は健康診断や人間ドックを受診される方が多くいる一方で、虫歯や歯周病を防ぐために定期的に歯の健診に行く人はまだ少数派でしょう。
歯が痛くなったり不便を感じたりしなければ、予防のためにわざわざ歯医者に行く必要性を感じられないというのが本音ではないでしょうか。
先進諸国の中では、まだまだ歯の予防に対して意識の低い日本ですが、歯の健康が全身の健康につながることを思えば、それを預かる歯科医の責任においても、今後もっとも熱心に取り組む必要があります。
歯科医療の目的
①虫歯や歯周病を予防し、その他の口腔内を健康な状態に回復すること
②健康な口腔を維持管理すること
虫歯を予防しましょう
歯の健康を維持し、できるだけ長く自分の歯を残すためには予防が必要です。
毎日の歯ブラシをすることはもちろん大切ですが、定期的に歯科医院で歯をクリーニングすることをおすすめします。

歯科医師、歯科衛生士による歯のクリーニングは超音波スケーラーという特殊な器具を使って汚れを除去します。
特に歯垢に唾液中のカルシウムが付着してできる歯石は、歯ブラシなどの通常のお手入れでは落とすことができません。
これといった異常がなくても、定期的に歯科医師、歯科衛生士にみてもらい、クリーニングを受けることが、むし歯や歯槽膿漏になるのを予防し、歯に対する関心も高まり、口の中に注意をはらうようになります。これが結果として歯の健康によい影響をもたらします。
逆に歯科医師の健診をうけたことがない人は、重大な異常にも気づくことが遅れ、歯周病(歯槽膿漏)になったとき、すでに手遅れ、といった危険性が高くなってしまいます。
虫歯予防の方法
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①歯ブラシ ほとんどの人が歯を磨いているにも係わらず、きちんと磨けている人はあまり多くありません。正しい歯の磨き方を習得して、さっそく今日からでも実践しましょう。 ②デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯と歯の間の汚れを取り除くこと。 ③お口の洗浄液で口をゆすぐこと。 |
稲葉歯科医院では3か月に1度のメンテナンス(定期検診)をおすすめしています。
入れ歯の場合も毎回、超音波洗浄にかけ、着色のついた歯は綺麗に磨き、こわれていないかどうかチェックします。
メンテナンスの手順
1 ) 患者さんのお口の中の様子をお聞きします。
2 ) すべての歯を一本ずつ拡大鏡をつかってむし歯がないか確認します。
特に歯と歯の間はむし歯ができやすいのでフロスを使い確認します。
3 ) 超音波の器械を使って歯の表面の歯垢(プラーク)を除去します。
4 ) 歯と歯肉の隙間(ポケット)が深いところは衛生士がスケーラーという道具を使って除去します。
5 ) 着色のある歯の汚れをとって器械で磨いて仕上げます。
6 ) すべての歯に歯間ブラシを通して、歯肉をマッサージします。
7 ) 最後に衛生士から歯磨きの指導などのアドバイスがあり、ご希望によってフッ素を塗布します。
歯周病を知っていますか?
疲れた時や体調がすぐれないときに歯ぐきがはれたり、痛みがでたり、噛めなくなったり、放っておくと痛みがなくなり、しばらくするとまた痛みだす・・・というような経験はありませんか?
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このような症状を繰り返すうちに、歯がぐらぐらになり、ある日ポロリと抜けてしまうのが 「歯槽膿漏」です。びっくりして歯科医院に行くと、すでに歯周病は口の中全体に広がってほとんどの歯を抜かなくてはいけない状態になっています。 働き盛りなのに「ある日突然、総入れ歯」なんてことがないようにしなくてはいけません。 |
どうして歯周病になるの?
歯周病の原因はいうまでもなく歯垢(プラーク)ですが、歯垢に加えていろいろな条件が重なることにより、歯肉炎から「歯槽膿漏」へと進行していきます。
歯垢
とくに歯と歯肉の境目についている歯垢中の細菌が食べ物のカスを分解して、歯周組織に悪影響をおよぼす代謝産物を排出しています。また、最近の市外なども歯垢中に分解され、歯肉の溝からしみこみ歯周組織を破壊していきます。
歯石
歯垢に唾液中のカルシウムが沈着してできた歯石は、歯の根元に付着します。そこに歯石が重なり、歯肉は常に機械的な刺激をうけるので、どんどん退縮します。このためあらたに歯垢が蓄積されやすい状況をつくるという悪循環をおこし、炎症はどんどん悪化するようになります。
歯並び、噛み合わせの異常
歯ならび、噛み合わせの異常 歯ならびがわるいと歯垢は蓄積されやすくなります。また、入れ歯などが原因で、かみ合わせが悪いとかむときにあごの運動がうまくいかず、ある特定の歯に以上な負担をかけることになり、歯周組織はより破壊をうけることになります。
食物の圧入
食物の圧入 食べ物が歯と歯の間にはさまり、放置すると歯肉に炎症をおこすことがあります。
むし歯や歯の欠損
むし歯や歯の欠損 むし歯を放置しておいたり、歯がぬけたままにしておくとまわりに歯垢がたまりやすくなります。
また、歯を抜いたまま放置しておくと、残った歯の噛み合わせの異常で歯周組織に悪影響がでます。
歯周病の進み方
歯肉炎ぐらいまでの症状はよく見られますが、これを放置することによって、炎症は歯肉の使い部分まで進み、歯と歯周組織まで進み、そこに食べカスや歯垢が蓄積され、歯を支える歯槽骨まで破壊が進みます。
歯肉はやせて下がり、歯と歯の隙間は大きくなり、歯の根が露出してその周りは食べカスがべったりつきます。こうなると、口臭がひどくなり、他人とお話をするときに不快な気持ちにさせてしまいます。
この状態の歯槽骨は破壊されて、支えのない歯はかみしめる度にグラグラして思うように食事もできません。すでに末期に近く、ちょっとした疲れや風邪などで歯肉は腫れ、痛みをくり返して、最後には抜歯ということになります。
歯肉炎とは
歯肉炎は自覚症がないので炎症をおこしている本人は気がつきませんが、多くの人がかかっている病気でもあります。痛みはないのに歯肉は赤く腫れて、歯をみがいたり、硬いものをかじったりするときに出血するのが特徴です。
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最近のつくりだす毒素が、歯肉に炎症をおこさせるというもので、自覚症状がないのでつい放っておきがちです。これを放っておくと炎症が歯周組織にも及んでいきます。歯肉炎が悪化すると歯槽膿漏へと進んでいきます。歯肉炎の予防には、毎日のセルフチェックとご自分でケアをするのが一番です。健康な歯肉の色はピンク色です。何よりも歯肉がひきしまって弾力があります。 |
歯肉炎の歯肉の特徴
- 歯と歯肉の境目が赤い
- 歯肉全体の色は赤く、赤紫のような場合もあります
- 歯肉全体がブヨブヨしている
- 指で押したり歯ブラシでこすると出血する
- 歯の周囲には歯石や歯垢がたくさんついている
歯肉炎の予防
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①丁寧なブラッシングを心がける。
②歯と歯の間を歯間ブラシやデンタルフロスでとり。 ③口腔洗浄液(コンクールやリステリンなど)で口をすすぎ殺菌する。 |
さらに歯科医院で定期検診(メンテナンス)をすることで、歯肉炎のうちに自分の歯を守るよう心がけましょう。
子どもの予防歯科
「フッ素はいつ頃から塗ったほうがよいのでしょうか?」というご質問をよく受けます。
フッ素は歯の表面のエナメル質と結びついて歯を丈夫にするため虫歯になりにくくなります。
フッ素は子供の歯でも大人の歯でも生えたて頃が一番取り込まれます。
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最初の歯は生後6~7ヶ月で生えてきますが、この頃は子供が小さすぎてなかなか塗るのが難しいです。 当医院では奥歯が生えてきたあたりから塗りはじめることををお勧めしています。 ただ、まだこの頃の赤ちゃんは人見知りもしますし、おとなしくお口を開いてくれません。 無理やり歯科医院でフッ素を塗るような事をしてしまうと歯医者嫌いになってしまうので、そのお子様に合わせてゆっくり無理のない時期からはじめましょう。 半年に一度フッ素を塗ると効果的で、永久歯がはえそろう中学生ぐらいまで続けるとよいでしょう。 |
家庭でできる虫歯予防の方法
歯みがきについて
まずは歯みがきについて、生後6ヶ月あたりの歯がはえはじめたあたりから必要になります。
ただ0歳児だとなかなかじっとしていられないので、この頃は機嫌のよい時に遊びながら歯ブラシに慣らしてください。
それから大事な事は、お母さんも気持ちに余裕のある時がいいと思います。
お母さんのひざの上で甘える事ができる、楽しい事をしてもらえる、という感じで歯みがきができたらいいですね。
歯ブラシは子供用の小さめの歯ブラシでやさしく磨いてあげてください。
歯磨き粉
歯磨き粉はうがいができるようにたってから使うのがいいと思いますが、ほんの少量使うのでしたら飲み込んでも安全なものを選んでください。
当医院ではPAX NATURON(パックス ナチュロン)の歯磨き粉をお勧めしています。
DENT.チェックアップジェルのバナナ味は、6歳未満のお子様のために少し弱めのフッ素(NaF500ppmF)を配合してあります。
歯みがきのあと、仕上げにお母さんがお子様の歯に塗ってあげて、一度つばを出してそのまま30分ぐらいおいてください。
キシリトール
キシリトールについては皆さん名前はよく知られていると思います。
シラカバを原料に主にフィンランドでで生産されています。
安全性についてはWHOでも認めれられていてとても安全な甘味料だといえます。
お食事の後、お口の中の唾液は酸性になり虫歯菌(ミュータンス菌)が歯を溶かしてしまい虫歯になりますがキシリトールを取り込むことでお口の中がアルカリ性になりミュータンス菌の繁殖を防ぐ事ができます。
食事の後、おやつの後にキシリトールを含むようにしてください。
小さなお子様用にガムではなくてタブレットもあります。
☆チョコレートをはじめ、砂糖を多く含んでいる甘いおやつを食べてもむし歯にならないように歯を守る方法をご紹介します。
1. おやつは時間を決めて食べましょう。
普段、口の中は中性(PH7)に近い弱酸性。ところが食べ物を口にしたとたん、口の中は酸性に傾きはじめます。
歯からミネラル分が溶けだすことを「脱灰」といいますが、PH5,5 を超えると脱灰がはじまります。
脱灰はむし歯の前兆です。食事をしても、口の中のPH は唾液の働きで中性にもどすことができますが、時間がかかります。
(個人差があり、2~4時間かかるといわれています。)ですから、甘いおやつをだらだら食べ続けていると唾液の働きが間に合わず、酸
性の状態が長く続いてむし歯になってしまいます。
甘いおやつは食事とセットにして、デザートとして食べるのがおすすめです。おやつを食べた後、無糖のあたたかい飲み物(例えば、緑茶、紅茶など)を飲むのも、砂糖が溶けだすので良いと思います。
そしてその後、キシリトールを食べるとバッチリです。
2. 食事やおやつを食べた後、キシリトールを食べましょう
キシリトールはシラカバなどから採れる天然素材の甘味料です。
甘さは砂糖と同じで、むし歯の原因となる酸をつくりません。
食事やおやつを食べると口の中は酸性に傾きはじめます。食事やおやつを食べた後、キシリトールを食べると唾液の分泌を刺激し、中和を促進させます。そして、むし歯になりにくくする働きをします。
むし歯予防で有名なフィンランドでは食事の後と、寝る前に必ずキシリトールガムをかみます。また小中学校では食事のときにキシリトール入りガムを配り、小さいときからの習慣づけを行っています。
3. フッ素入りの歯磨剤を使ってしっかり歯を磨きましょう
市販で売っている歯磨剤は「フッ素配合」と表記されていてフッ素配合濃度が低いものがほとんどです。
歯科医院で販売している歯磨剤は950ppm と安全で高い濃度のフッ素が配合されていますので、むし歯予防に効果的です。
4. 歯科医院で定期的にむし歯のチェックをしましょう。
せっかく治したと思った歯周病や虫歯がしばらくしてまた悪くなってしまい、もっとひどくなってしまっていた・・・・なんて経験ありませんか?
治ったと思った歯周病は生きている限り、食事によって歯垢(プラーク)はつくし歯石もたまります。 定期的なメンテナンスでは、歯垢もやわらかくとりやすいのですが、一年以上たってしまった歯石は硬くなってしまうため、また最初から治療しなくてはいけなくなります。
綺麗に被せたセラミックも、ほうっておくと歯肉が腫れてしまったり、歯周病で歯がぐらぐらしてしまうことだってあります。
定期的なメンテナンスは非常に大切です。
一本でも多くの歯が健康に保てるように、私たちがお手伝いできたらうれしいと思っています。

















