2014年6月 4日

本来、嚥下機能はおっぱいを飲むことで自然と鍛えられます

嚥下機能はおっぱいを飲むことで自然と鍛えられます人類の進化過程では、自然環境の中で生活し、動物を捕獲したり植物を採集したり、自然の食物を摂取してきました。人工的に食物が栽培され、家畜が飼われて、それを食糧として生活したのは農耕文化が入ってきた縄文時代以後のことでしょう。

前期弥生時代の農耕民の遺跡から、親子の牛の遺体が発見されています。土師器文化期になると家畜の飼育が盛んになっていることから、1400年前には牛乳の飲用が行われていたと考えるのが妥当だといわれています。そこでは、子どもを育てる場合には母乳による保育が行われていたことは当然ですが、家畜の乳を母親代わりに与えたことも考えられます。牛乳の与え方も、器から直接飲ませたり、匙のようなもので与えたりしたのではないかと想像されます。

粉ミルクを哺乳瓶で飲ませるのが一般に広まったのは、戦後になってからのことです。牛の乳を哺乳瓶で飲ませるようになった歴史は比較的新しく、1897年(明治30年)前後にオランダ製口吹ガラスのものが、ごく一部の人に使われたのが最初といわれます。それまで竹の筒におかゆなどを入れて飲んでいました。

進化過程を再現する胎児嚥下機能はおっぱいを飲むことで自然と鍛えられます
宇宙の惑星である地球上に生命が誕生したのは、今から40億年前にさかのぼります。太陽からの紫外線を避けて海中に原生動物が誕生し、その後デボン紀に硬骨魚類が生まれ、進化をした魚は両性類として陸に上がってきました。その後、爬虫類が生まれ、哺乳類が出現しました。

ドイツのヘッケルは「個体発生は系統発生の繰り返しである」という説を唱えました。これは、卵から発生が進んで成体に達するまでの過程は、その生物が辿ってきた進化の過程を短時間で再現している、というものです。

母親の胎内で1個の卵子と精子が結ばれ、受精卵ができ、生命への第一歩を迎えます。その後、母親の羊水の中で39週間を過ごします。その12~15週間には、羊水を飲み始めると同時に、生まれてから母親の乳頭に吸い付くための準備運動である指しゃぶりを始めます。このことは、最近の超音波診断器の発達により証明されています。

生まれてからは、しばらく経つと手と足を使って上手に腹這いを始め、高這いを経て、体を浮かせて立ち上がります。これは、生物の進化過程と同じ経路を辿っているようです。海水中の魚から両生類として陸へ這い上がり、爬虫類を経過して哺乳類となり、直立二足歩行が完成するのと同じということです。

お乳は、吸ってもらって初めて出る嚥下機能はおっぱいを飲むことで自然と鍛えられます
人間の胎児は、哺乳動物としては未熟のまま生まれてきます。つまり、大脳皮質が良く発達しているため、頭が大きく自力で立ちあがることができません。そのため自分から母親のお乳を吸いに行くことができず、母親からの授乳により生命が保たれます。

小児科医は「お乳は、出るから赤ちゃんに吸わせるのではなく、赤ちゃんに吸ってもらって初めて出るのです」と訴えています。人間の進化過程で、現在のように人工的に哺乳瓶を用いて母親の代わりに授乳させてきた時代はなく、それは乳児の成長に大きな影響を与えています。

どんな乳頭の形態といえども、人間の乳首に勝るものはありません。乳児期に良い歯列(歯並び)を作り出す大きながっしりとした顎を母乳によって作り上げる必要があります。母親の胸に抱かれての授乳は、生まれたばかりの赤ちゃんにとって最大の運動であり、額に汗を流しながら夢中になって母親の乳頭に吸い付き、疲れ切ってすやすやと眠りに入ります。しばらくすると、思い出したかのように再び吸い始めます。

この行為は、お口周りの筋肉発達、歯並び、発音に非常に重要であり、哺乳瓶を使った誤った哺乳行動は、舌の機能障害を生む要因となります。その結果、ディスクレパンシー(歯並びが悪くなる)を引き起こしたり、嚥下機能に影響を与えたりすることとなるのです。

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